着床前診断(PGS/PGT-A)とは ②

着床前診断の内容の続きとなり、前回の記事はこちらよりご覧ください。

着床前診断(PGS)の流れ

全体の流れに関して、途中までは通常の体外受精と同じとなります。
グレードでは胚盤胞の外観から良好なものの見極めをしていますが、着床前診断(PGS)を行うとさらに、外観からはわからない胚盤胞の内部(遺伝子や染色体)の検査ができるようになります。

上記の図で説明をすると、着床前診断(PGS)を行わない場合にはグレードの良好な4つの胚から選んで移植をすることになり、例えば2回移植をした両方が実は染色体異常のある胚盤胞で着床がしなかったり流産になってしまうという可能性もあります。
一方、着床前診断(PGS)を行うことで、グレードの高い4個の胚盤胞から染色体異常のない2個の胚盤胞を最終的に得ることが可能となります。
これにより、移植の成功確率が上がり、体力的、精神的、時間的、金銭的な負担をも下げることに繋がります。

一点留意すべき点は、グレードは良好であっても遺伝子もしくは染色体の異常が判明することがありますので、通常よりも移植に使える胚が減ることがいえます。

“着床前診断(PGS/PGT-A)とは ②” の続きを読む

着床前診断 (PGS/PGT-A)とは ①

染色体異常を特定する着床前診断(着床前スクリーニング)

不妊治療を続けていると、女性はさまざまなことに悩まされます。
着床・妊娠ができなかったり、やっと妊娠ができても流産を経験してしまったり、グレードの高い胚盤胞が育って移植ができたにも関わらず妊娠できなかったりという、不妊治療ではそれぞれの方が悩みを抱えています。

不妊にはさまざまな原因がありますが、実は、その中でも最も多いものが胚盤胞の染色体異常によるものです。
一般的に20代の方でも胚盤胞のうち20〜30%に染色体異常があると報告されていますが、年齢が上がるとこの割合はさらに高くなってくるのです。

40歳ではおよそ60%、43歳では80%以上の胚盤胞に染色体異常があるとされていて、染色体に異常がある胚を移植した場合、着床がうまくいかなかったり、流産となってしまったり、胎児の発育が停止してしまうといった影響が出る可能性があります。

また、ダウン症などの病気も染色体異常によるものとなり、健康な子どもを産みたいというのは多くの方の願いでもあります。

こちらでは胚盤胞の染色体異常を特定する技術である、着床前診断について説明をしていきます。
日本では着床前診断と呼ばれることが多く、その他の呼び方では着床前スクリーニング、PGS、PGT-Aとも呼ばれていますので、ここでは着床前診断(PGS)と統一して説明します。

“着床前診断 (PGS/PGT-A)とは ①” の続きを読む